圧着ハガキ・DM通信

DM(ダイレクトメール)の挨拶文の例文から作成時の注意点・ポイントまで紹介

取引先や新規顧客に送るDM(ダイレクトメール)は、営業の必須ツールです。しかし、広報担当者の中には、DMの書き方について悩む方が多くいます。顧客のもとに日々届くDMの中から、最後まで読んでもらえる文章を書くのは簡単ではありません。最初に目にとまる挨拶文にさまざまな工夫を凝らし、DMを最後まで読みたいと顧客に思ってもらうことが大切です。

この記事では、DMの挨拶文が持つ重要性を踏まえた上で、具体的な書き方について例文を交えて解説します。さらに、DMの挨拶文を作成する際の注意点やポイントについても解説するため、挨拶文の書き方に悩んでいる方は、ぜひご覧ください。

 

1.DMにおける挨拶文の重要性とその理由

DMにおいて挨拶文は非常に重要です。DMの中で挨拶文とは、初対面のセールスパーソンが行う自己紹介のようなものであると考えましょう。どこの誰とも知れないセールスパーソンの話を聞くかどうかは、顧客が自己紹介に興味を持てるかどうかにかかっています。

同様に、DMを受け取った顧客が、最後まで読むか、途中で読むことをやめてしまうかは、挨拶文によって決まると言っても過言ではありません。「DMにおける挨拶文の役割」や「DMの開封率を高めるような挨拶文の書き方」について解説します。

 

1-1.読まれやすくなるDMとは?

顧客が文章の続きを読みたいと思えるDMには、以下のような3つの特徴があります。

読まれるDMの特徴 詳細
自分にメリットがある 自分の欲しいものが安く手に入るなど、読むことで自分が得をすると感じられる
自分に宛てられたものであると感じられる 顧客の名前を入れたり、お誕生日特典などで特別感を演出したり、顧客の興味・関心に合わせた内容にしたりすることで、自分宛ての手紙であると感じられる
目的がはっきりと理解できる 得体の知れない内容ではなく、DMを送った目的が明確に分かる

顧客に読まれるDMを作成する上で大切なのは、テンプレート通りの内容ではなく、顧客の興味や関心に合い、メリットを感じさせられる内容にすることです。

 

1-2.DMの挨拶文が持つ役割

DMの全体的な内容が顧客にメリットを感じさせられるものであっても、冒頭の挨拶文に問題があると、読まれずに捨てられてしまうことも少なくありません。DMにおいて、挨拶文は非常に重要な役割を果たしています。DMにおける挨拶文の主な役割は次の通りです。

挨拶文の役割 詳細
顧客に親しみを持ってもらう 気持ちを込めて、顧客に寄り添った挨拶文を送ることで、自社と顧客の関係性を深められる
顧客の関心を引く 顧客に興味を持ってもらうことで、続きを読みたいという気持ちにできる

 

2.DMにおける挨拶文の例文を紹介

ひとくちに顧客へのDMと言っても、顧客との関係性や目的によってさまざまなケースがあります。そのため、効果的なDMを作成する上では、DMの目的や顧客との関係性に応じて挨拶文を考えることが大切です。

さまざまな挨拶文のケースから代表して5パターンの例文を紹介します。また、それぞれの挨拶文を送った際に顧客へ与える効果についても解説するため、実際に挨拶文を書く際の参考にしてください。

 

2-1.初めてDMを送るお客さんへの例文

新規顧客開拓のためにDMを送る場合は、以下のような挨拶文が一般的です。相手にとっては突然送られてくるものであるため、言葉選びや表現は慎重に行わなければなりません。

種類 効果 例文
突然の連絡に対するお詫び 丁寧な印象を与えられる 「突然のご連絡、失礼いたします」
時候の挨拶 丁寧で堅実な印象を与えられる 「暑中お見舞い申し上げます」
「新年を迎え、新たな気分でお過ごしのことと思います」

ただし、「お世話になっております」のように、初対面の相手に対する挨拶としては不適切なものを選ぶと、定型文であると感じられ読まれなくなる可能性が高まります。

 

2-2.既存客へDMを送る場合の例文

既に自社商品・サービスを利用している顧客や、DMを発送したことのある顧客に対しては、フォローアップの意味を込めた挨拶文を添えるのが重要です。自分に宛てて書かれたと感じられる特別感のあるメッセージは、顧客に強い印象を与えられ、DMの内容に興味・関心を持たせられます。

種類 効果 例文
DM再送の告知 関係性が構築されている印象を与えられる 「たびたびのご連絡にて、失礼いたします」
「先日お送りしたお手紙は、ご覧いただけましたでしょうか?」
特別感の演出 重要な内容であるという印象を持たせられる 「リピーター様限定特価にてご案内」
「特別なお客様だけに、ひと足早くお知らせ」

 

2-3.記念日の挨拶文の例文

既存顧客に向けたDMにおいては、特別感を演出することが、顧客と自社をより強く結びつける重要なポイントです。特別感を演出する方法の1つとして、記念日を活用するという方法があります。DMに活用できる主な記念日は、以下の2つです。

  • 「誕生日」「母の日」など定番の記念日
  • 「お客様が商品・サービスの利用を始めて〇周年」など顧客との付き合いに関する記念日

ここでは、これらの記念日向けDMに記す挨拶文の例文を紹介します。

種類 効果 例文
定番の記念日 顧客が大切にされている印象を与えられる 「お誕生月に特別なバースデーギフトをご用意」
「母の日に、お母さんへ感謝の思いを込めて」
顧客との関係性の記念日 自分に向けた内容であるという印象を持たせられる 「お客様との○周年記念DM」
「○月○日は、○○様の初めてのご来店から○周年の記念日です!」

 

2-4.休眠客へDMを送る場合の例文

一定期間接点がない休眠客には、過去の取引や購入に触れ、付き合いがあった会社からのDMであると伝わる内容にすることが大切です。DMを送付しても「知らない会社から急なセールスがきた」と思われると、読んでもらえないでしょう。

種類 効果 例文
以前の利用への言及 縁があったことを思い出せ、DMの唐突感が消える 「○○の折、弊社の○○をご購入いただき、誠にありがとうございました」
特別感の演出 お得であるとの印象を与えられる 「以前弊社サービスをご利用いただいた御社様を対象とした、お得な割引キャンペーンのお知らせです」
「以前○○を購入いただいた御社様だけにお届けする特別なご案内です」

 

2-5.災害や伝染病などが起きたときの挨拶文の文例

災害発生後にDMを送るときは、挨拶文で気遣う一言を入れると丁寧な印象を与えられます。コロナ禍のような伝染病が発生した際も、挨拶で軽く触れておくとよいでしょう。

種類 効果 例文
被災への気遣い 事務的ではない親切な印象を与える 「このたびの災害において被災されました多くの方々に、心からお見舞い申しあげます」
「被災されました方々の一刻も早い復興を心よりお祈り申しあげます」
伝染病下での大変な状況への心遣い 困難な状況への配慮が感じられる 「未曽有の災禍により大変な状況が続いております」
「貴社におかれましては、○○(伝染病)による災禍のもと、ご苦労をされているのではないかと案じております」

 

3.【季節別】時候の挨拶をするときの挨拶文の例文

手紙やビジネス文書の冒頭には、時候の挨拶を入れましょう。時候の挨拶とは、季節を表す表現を含む礼儀的な文章のことです。挨拶の言葉は、季節に応じて適切なものを使う必要があります。

 

3-1.春の場合

春は寒さが和らぎ、ビジネスでも動きが起こりやすい季節です。ダイレクトメールを送る場合、時候の挨拶では陽気について触れると自然です。

種類 例文
基本的な春の挨拶 「春のきざしが感じられる時節となりました」(3月上旬)
「春らしい陽気が心地よい季節となりました」(3月・4月)
「暦の上ではもう夏を迎え、陽気が強くなってまいりました」(5月)

toCの場合は、生活の変化を意識させるセールス文を交えましょう。

種類 効果 例文
春を表す言葉を入れたセールス文 生活の変化や区切りを意識させる 「この時季だけの新生活応援セール」
「新入学応援フェア!春限定の特別セール!」

 

3-2.夏の場合

夏にダイレクトメールを送るときには、梅雨や暑さに触れる挨拶をすることで、暑中見舞いや残暑見舞いを兼ねられます。

種類 例文
基本的な夏の挨拶 「あじさいの花咲く時節となりました」(6月)
「厳しい暑さが続いておりますが、皆様はお変わりなくお過ごしのことと存じます」(7月~8月上旬)
「暑中お見舞い申し上げます」(8月)

toCの場合、夏のボーナスや夏休みを早期から意識させるセールス文を入れれば、顧客の行動促進につながるでしょう。

種類 効果 例文
夏を表す言葉を入れたセールス文 ボーナスや夏休みなどを意識させる 「本格的な夏まで後1か月!◯◯で理想のボディを手に入れましょう!」
「サマーシーズンに欠かせない商品が○○です」
「夏休みはもう目前!今年の夏の予定はもうお決まりですか?」

 

3-3.秋の場合

暑さが和らぎ始める9月、本格的な秋に入る10月、冬へ移り始める11月と、秋は月によって気候が変化します。季節感を演出できる文章を添えるのがおすすめです。

種類 例文
基本的な秋の挨拶 「初秋の候、皆様お元気でお過ごしでしょうか」(9月)
「秋の深まりを感じる季節となりました」(10月)
「落ち葉散りゆく季節ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか」(11月)

また、toCの場合は「食欲の秋」「スポーツの秋」など、「○○の秋」に結びつけたセールス文を交えるとよいでしょう。

種類 効果 例文
秋を表す言葉を入れたセールス文 食欲の秋・スポーツの秋など、新たな行動を起こすことを意識させる 「スポーツに向いた季節が到来しました!◯◯様はいかがお過ごしでしょうか」
「食欲の秋到来!お客様だけの特別プランをご用意」

 

3-4.冬の場合

冬のDMでは、12月から1月にかけては、厳しい寒さに触れるとより丁寧な印象を与えられます。2月の場合は、寒さが和らいできたことを伝えれば、季節感を演出可能です。

また、12月は年末のため、顧客は忙しい時期を迎えます。忙しさを気づかう一言を添えるのがおすすめです。

種類 例文
基本的な冬の挨拶 「師走のあわただしい季節ですが、皆様お元気でお過ごしでしょうか」(12月)
「寒さ厳しい折ですが、いかがお過ごしでしょうか」(12月、1月)
「日差しが少しずつ暖かくなってまいりました」(2月)

toCの場合は、顧客の体調や健康、および年末年始のイベントに触れるとよいでしょう。

種類 効果 例文
冬を表す言葉を入れたセールス文 顧客の健康や年末年始のイベントを意識させる 「大切な方へ贈る贈り物。今年のお歳暮は、もうお決まりですか?」
「本格的な冬の到来です。風邪など引かれていませんか」

 

4.DMで挨拶文を作成する際の注意点とポイント

DMの挨拶文を書く際には、注意すべきポイントが存在します。顧客に関心を持たれ、最後までDMを読まれるような挨拶文とするためには、注意点を把握しておくことは非常に重要です。

顧客の反応率を高めるDMの挨拶文を書く際に意識するべき注意点・ポイントを4点紹介します。

 

4-1.主語を読み手にする

DMの挨拶文において大切な点は、顧客(読み手)に「自分に宛てて送られた」と感じさせることです。顧客1人だけに宛てた挨拶文を書くためには、主語を読み手に設定する必要があります。具体的に例を挙げて比較しましょう。

①売り手を主語にした挨拶文

弊社は創業◯◯年です。私たちのつくる××には△△な特徴があります。

②読み手を主語にした挨拶文

(あなたは)◯◯でお悩みではありませんか?そのような(あなたの)お悩みはとても辛いでしょう。この商品を使うことで、(あなたは)△△という効果が期待できます。

両者を比較すると、読み手を主語にすることで、「読み手に宛てて書かれた文章」であると感じられやすくなります。

 

4-2.売り込まない

DMの挨拶文を書く際に覚えておくべき点の1つが、「人は売り込まれるのを嫌う」ということです。挨拶文で売り込み臭が感じられた途端に、DMは捨てられてしまう可能性が高まります。挨拶文ではダイレクトな商品の紹介は避けて、読み手の共感を得られるような話題から始めるのが大切です。

①使用するべきではない見出し・挨拶文

「◯◯(商品名)のご紹介」
「この度は弊社の新商品◯◯をご案内したく~」

②顧客の共感を得られる話題から始まる挨拶文

「◯◯についてお悩みではありませんか?」
「お客様のお住まい地域で話題の△△、もうお試しになりましたか?」

 

4-3.過度にかしこまった表現は避ける

一般的な手紙では「拝啓」などの頭語から始まり呼応関係にある「敬具」などの結語で締めることがマナーです。しかし、DMの場合は過度に改まった表現は用いないほうがよいでしょう。

DMは営業メールです。あまりにかしこまった表現で始まると、受け取った相手は「売り込み目的の案内なのに、白々しい」と感じる可能性があります。また、あまりに長々とした挨拶も避けたほうがよいでしょう。

堅苦しい表現は避け、「いかがお過ごしでしょうか」など口語調で親しみやすさが感じられる書き方を意識することが大切です。ただし、あまりにフランクな言葉遣いもふさわしくありません。知人に送る手紙をイメージした書き方をするとよいでしょう。

 

4-4.読みやすさを工夫する

一見して読みづらい印象を与える書き方では、DMを最後まで読んでもらえません。挨拶文のポイントは「読みやすさ」です。以下の点に注意して、DMを作成しましょう。

  • 余白を多めにとる
  • 使う色数は2~3色に抑える
  • 訴求ポイントはフォントサイズを大きくしたり文字の色を変えたりして目立たせる
  • イラストや画像も用いる

また、読み手の目線の動きを意識することも重要です。横書きのDMを見るとき、人は左上から右上、左下、右下と「Z」を描くように視線を動かします。縦書きの場合は右上から「N」のように動きます。

視線の動きに合わせ、DMを構成する各要素を配置すると効果的です。横書きの場合は左上に、縦書きの場合は右上に挨拶文を置き、読者が内容を把握できるようにしましょう。

DMに効果的なフォントの種類・特徴から読ませるためのポイントまで

 

5.効果的な追伸の書き方のコツ

DMの最後に適切な内容の追伸を付け足せば、顧客の意欲を刺激して資料請求や申し込みなどの行動を促すことが可能です。顧客に対し、具体的にどうしてほしいかを明確に示しましょう。ここでは、DMの効果を高める追伸のコツについて紹介します。

 

5-1.魅力的な特典を提示する

顧客の大半は、DMを読んで興味を持ったとしても、買おうとはなかなか決断できないものです。魅力的な特典が獲得できることを追伸で示すと、商材に対して興味を持った顧客に、商品やサービスがよりお得であると感じてもらえます。買う気持ちが高まり、申し込みや資料請求の決断を後押ししてくれます。

ただし、特典は顧客の視点から魅力を感じられるものを選びましょう。顧客が嬉しいと感じるものでなければ、決断を後押しする効果はありません。

 

5-2.希少性や限定性を伝える

一般に、人は希少性が高くなかなか手に入らないものに対して、通常より高い価値を感じます。DMでも商材の希少性や限定性を伝え、顧客の購買意欲を引き出すことが可能です。たとえば、「数量限定」「期間限定」と訴えれば、「この機会を逃すともう手に入らない」「お得に購入できるのは今だけだ」と感じてもらえるでしょう。

顧客は、DMを読んで商材に興味を持っても「買うかどうかは後で考えよう」などと、決断を先送りにする傾向があります。希少性・限定性を訴える追伸は、先延ばしを防止する効果が期待できます。

 

5-3.読み手の行動を促す

追伸には、読み手の具体的な行動を促す文言を記載すると効果的です。DMの最後に、単に「お申し込みはこちらへ」と書いて電話番号を記すだけでは、読み手の行動を喚起することはできません。

たとえば、「お電話にて○○を見たと担当者にお伝えいただければ、専任のスタッフがご案内いたします」と書けば、読み手は具体的なイメージが湧いて行動に移しやすくなるでしょう。

また、分かりやすい位置にQRコードを設置し、顧客が読み取ると資料請求や申し込みのページに飛べるようにしておくのも効果的です。電話を面倒に感じる顧客でも、気軽に資料請求などのアクションに移れます。

 

まとめ

DMにおける挨拶文は、セールスパーソンが顧客に向けて行う自己紹介と同じくらい重要なものです。優れた挨拶文を書き上げることで、DMの反応率を高められます。

顧客に響く挨拶文を書くためには、顧客との関係性やDMの目的に応じた文章を書くのが大切です。DMの挨拶文を書く際は、読み手に宛てて手紙が書かれていると感じられる工夫が欠かせません。また、売り込み色の強い内容では、DMの反応率が低下してしまいます。

効果的な挨拶文と同時に、適切な追伸によって顧客の反応率を上げられます。特典や希少性・限定性を伝えるとともに、具体的な行動を促す文言を記載するのがおすすめです。

挨拶文を書く際のポイントを意識して、顧客に響くDMを作成しましょう。

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