圧着ハガキ・DM通信

DM営業とは?概要やメリット・デメリット・成功させるコツを解説

DM営業(ダイレクトメール営業)は、企業が顧客にダイレクトメール(DM)を郵送することで広告や集客を図るマーケティング戦略です。デジタル化が進む現代でも、郵送DMは電子メールよりも開封率が高く、読み手に特別感を与えることができるため、多くの企業が利用しています。

この記事では、DM営業の概要やメリット・デメリット、成功させるコツについて詳しく解説します。DMを使った営業活動を始めたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

 

1. DM営業とは?

DM営業とは、DM(ダイレクトメール)を活用して広告や集客を上げるためのマーケティング戦略のことです。

ダイレクトメールは紙に企業や店舗からの商品のお知らせや広告などが記載されており、企業から個人・法人宛に送付されます。

DM営業はメールが普及する前から広く活用されている営業方法です。デジタル化が進む近年では、メール営業やWeb広告などを活用した営業方法も盛んです。しかし、デジタルを活用した営業以上にさまざまなメリットが得られることから、DM営業に力を入れている企業も多いのが特徴です。

DM営業の利点を活用することができれば、大きな効果を生む可能性があります。

 

2. DM営業のメリット

DM営業はBtoB・BtoC両方で活用されており、BtoB営業でも非常に有効なマーケティング方法です。飛び込み営業・テレアポ営業は営業力やトーク術が求められ、1件ずつ行う必要があるのに対し、DMは作成すればより広範囲の見込み顧客をターゲットに営業をかけられます。

DM営業をすることの魅力的なメリットについて詳しく解説します。

 

2-1. 電子メールよりも開封率が高い

郵送のDMは、電子メールよりも開封率が高いのが特徴です。BENCHMARKによる「メルマガ平均開封率レポート」2023年の調査結果では、日本の電子メール開封率は31.75%でした。これはメールを配信した全体のうちの約7割が開封していないということです。

出典:BENCHMARK「メルマガ平均開封率レポート」

対して、一般社団法人日本ダイレクトメール協会研究開発委員会による「DMメディア実態調査2022」の調査結果では、郵送DMの開封率は65%と高い数字でした。

特に自分宛のDM開封率は75%、宛名なしの場合でも58%という結果でした。メール配信よりも圧倒的に高い開封率であることが分かります。

出典:一般社団法人日本ダイレクトメール協会研究開発委員会「DMメディア実態調査2022」

 

2-2. 読み手に特別感を与えられる

DMは読み手に特別感を与えられるという点もメリットです。DMは顧客情報を得ている状態で発送するので、不特定多数を対象とした広告と比べターゲット層に合った内容にでき、読み手に特別感を与えられます。BtoCの場合、例えば以下の内容をターゲット層に合わせてパーソナライズするとよいでしょう。

  • 誕生月・誕生日のクーポン
  • セールの案内
  • 試供品の案内・プレゼント
  • 保有ポイントに関する案内

なお、メールは毎日何件も届くため見落しやすいデメリットがあります。電子メールの場合、他社と差別化を図り、特別感のある件名や内容にすることは困難です。

郵送で手元に直接届き、見た目でもオリジナリティを出せるDMは、開けてみようという気持ちを覚えやすい商材です。そこにパーソナライズされた内容が記されていればさらに興味を持って読んでくれるでしょう。

 

2-3. 読み手への行動喚起ができる

DMを送付することで、読み手へ行動喚起ができます。一般社団法人日本ダイレクトメール協会研究開発委員会による「DMメディア実態調査2022」では、DMを受け取った後に何らかの行動をした人は19.3%でした。

出典:一般社団法人日本ダイレクトメール協会研究開発委員会「DMメディア実態調査2022」

「何らかの行動」とは、具体的には以下のような行動です。

  • ネットで検索をした
  • 店に出かけた
  • 家族・友人等との話題にした
  • 購入・利用した
  • 資料請求・問い合わせた

DM送付によって店舗を訪れたり購入するきっかけになったりするということが証明されています。

 

3. DM営業のデメリット・注意点

DM営業には多くのメリットがある一方で、メール配信やテレアポと比較して欠点と言える部分も存在します。それぞれの特徴を理解した上で併用し、顧客へ訴求しておくのが重要です。

DM営業のデメリットは、以下の通りです。

 

3-1. 時間とコストがかかる

DM営業はメール配信と比べると時間とコストがかかります。メール配信は配信テンプレートを用いて一部文章を変更しながら入力するだけですぐに送信ができ、一斉に複数の宛先に送信することが可能です。

一方DMは顧客の営業リスト作成だけでなく、郵送準備、宛先の情報管理や発送業務といったさまざまな手間がかかります。加えて、ターゲット層に訴求できるデザインを作成するには、スキルやノウハウが必要になります。外注する場合はデザイン費がコストに追加されます。

また、紙代やインク代、郵送代などのコストもかかるため、明確な目的の上で選別した宛先に送付しなければ経費の無駄遣いになりかねません。

 

3-2. 顧客データの精査が必要になる

顧客の住所情報が古いと、送り先にDMが届かない可能性があります。そのため、顧客情報の管理をしっかりと行い、顧客のデータ精査を行う手間が発生するという点もデメリットです。

また、住所変更だけでなく、顧客情報登録時に誤った情報を登録している場合もあります。発送したDMが届かなかった場合、コストの無駄遣いになってしまいます。

顧客のデータ精査には、以下の方法がおすすめです。

  • データクレンジング
  • 名寄せ

データクレンジングとは、データの誤記や重複などの不備を修正することです。また、名寄せとはデータベースに登録された重複している複数のデータを統合する作業で、同一の宛先に重複してDMを送付してしまうのを避ける目的で行われます。

 

4. DM営業を成功させるコツ

準備の手間もコストもかかるDM営業が成功するためには、いくつかのポイントがあります。メリット・デメリットを把握した上で、以下で紹介するポイントを押さえておきましょう。

 

4-1. DMのテーマやターゲットを絞り込む

DM営業の成功率を上げるために最も重要なのはターゲットを絞り込むことです。ターゲットを絞り込む方法として、具体的な流れは以下の通りです。

  • 誰にどのような目的でDMを送るのかを検討する
  • セグメンテーションを行う
  • ターゲットのペルソナ設計をする

入手している顧客情報すべてにDMを送付していては、無駄なコストばかりがかさんでしまいます。新規顧客・既存顧客のどちらに送るのか、DMで目指すのは来店促進か、それともロイヤルカスタマーへのオファー提供なのか、など、ターゲットや目的を決めてください。

ターゲットや目的を決めた上で、セグメンテーションを行います。セグメンテーションとは商品やサービスの顧客がどの市場にいるのか、市場を細分化することです。性別、年代、職業、購入回数、購入金額など自社が得ている情報次第で分け方は多様ですが、目的に合ったセグメンテーションをするのが重要です。

例として、ロイヤルカスタマー向けにオファーを提供したい場合、過去の購入回数と金額に基づいて顧客リストを分け、上位顧客をDMのターゲットにする方法があります。

ターゲットのセグメンテーションができたなら、ペルソナ設計に移ります。ペルソナとは、自社の製品やサービスのターゲット層を想定して作った架空の人物像です。ペルソナを作るときには、以下のような点まで作りこむと効果を発揮しやすくなります。

【ペルソナの例】

  • 名前:ユニオン太郎
  • 性別:男性
  • 年齢:40
  • 居住地:大阪府大阪市
  • 勤務先:広告会社勤務
  • 役職:管理職
  • 趣味:野球観戦、漫画を読むこと
  • 現在の悩み:仕事で顧客にどのような広告を打つべきか悩んでいる

 

4-2. ユーザーが興味を持つキャッチコピーやデザインにする

DMは開封してもらえなければ意味がありません。シンプルで特徴のないDMであれば、未開封のまま他の郵便物とともに処分してしまうかもしれません。開封率を上げるためには、目を引くキャッチコピーやデザイン、色使いにするなどの工夫が必要です。

クーポンが透けて見えていたり、「◯◯でお悩みの方へ」など記載されていたりすると、相手は自分ごとと捉え興味を持ちます。

また、明確にパーソナライズされているDMであれば、開封率アップにつながります。例えば、美容に悩みを感じている女性や敏感肌に悩んでいる女性に向けて、肌に優しい基礎化粧品のDMが届いた場合、開封される確率は高いと言えます。一方で、男性の元に同様のDMが届いても開封されず、送付した企業側も効果が期待できません。

なお、DMには種類がありますが、その中でもおすすめは圧着DMです。圧着DMとは、両面が糊付けされた、めくって剥がせるハガキのことを指します。

封筒よりも手軽に開封ができ、めくってみたいという心理が働くので開封率は高まる傾向にあります。DMの種類にも注目してください。

 

4-3. 効果を測定してPDCAを回す

DMは一度送って終わりではありません。どの程度の効果があったのかを測定し、さらに改善に繋げるためのアクションを起こす必要があります。

事前に以下のようなKPIを設定しておき、DMの有効度合いを測定しましょう。

●反応率:レスポンス件数÷DM発送数×100

DMにより顧客が行動を起こした割合で、レスポンス率とも呼ばれます。問い合わせ、来店、Webサイトへのアクセスなどの行動を起こした件数(レスポンス件数)を、DMの送付数で割ることで算出できます。

●コンバージョン率:コンバージョン数÷DM発送数×100

施策の最終目標である、成約や商品購入などのコンバージョンに至った割合です。コンバージョン数を、DMの発送数で割ることで算出できます。

●CPR(Cost Per Response):販促費÷レスポンス件数

顧客が1回の行動にいたるまで、どの程度コストがかかったのか示す指標です。かかった販促費をレスポンス件数で割れば算出できます。

●CPO(Cost Per Order):販促費÷コンバージョン数

顧客が1回のコンバージョンにいたるまで、必要になったコストを示す指標です。かかった販促費をコンバージョン数で割り、算出します。

上記のKPIから結果を測定し、PDCAサイクルを回しながら更なる利益を上げていきましょう。

 

まとめ

DMを営業活動に使うメリットには、開封率や行動喚起率の高さ、および読み手に好印象を与えやすい点があります。一方でコストがかかりやすいため、ターゲット層を絞り込み、送付データを管理することが欠かせません。

顧客のセグメンテーションとペルソナ設計により、顧客が興味を持つキャッチコピーやデザインのDMを制作するのが大切です。また、誕生日クーポンや特別セールの案内など、ターゲットに合わせたパーソナライズされた内容を送付する方法もあります。送付後は反応率・コンバージョン率・CPR・CPOといったKPIからDMの効果測定をして、PDCAサイクルを回しましょう。

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