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反響率アップに効果的なDMの作り方|目的設定から発送後の工夫まで

DM(ダイレクトメール)による効果的なマーケティングで、顧客を獲得したいと考える企業は多数あります。しかし、どのようなDMを送れば反響率が高まるか全く見当が付かず、困っている企業も少なくありません。

この記事では、反響率をアップさせるDMマーケティングの目的設定方法や、DMを作る上でおさえておきたいポイント、DM発送後にしておきたい工夫などを紹介します。高い反響率を得られるDMを作りたい人は、ぜひ参考にしてください。

 

1.DMにはどのような効果がある?

DM(ダイレクトメール)とは、既存の顧客や見込み客に対して、自社の製品やサービスを宣伝するためにカタログやチラシなど広告を送付する宣伝手法のことです。Eメールでのアプローチが主流となりつつありますが、郵便物のDMにも販売促進効果があることが分かっています。

日本ダイレクトメール協会の調査によると、自分あてに届いたDMを開封・閲読する率は79.5%と非常に高い割合でした。さらに、DMを見て「話題にする」「インターネットで調べる」「実際に店舗を訪れる」など、何らかの行動を起こした人の割合は発送したDM総数の21%にもなります。行動喚起率が高く、DM戦略はマーケティング施策として効果的な方法であることがうかがえます。

出典:一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2021」調査報告書要約版

 

1-1.DMの効果を測定するには?

DMは送って終わりにするのではなく、どれほどの効果や反響があったかを測定し分析することが大切です。送付の結果を次に生かすことで、より効果的なDMが作成できるようになります。

効果測定の準備として、まずはDM発送にかかった総コスト(総DM費)を算出しておきましょう。DM発送にかかるコストには、主に制作費や印刷費、発送準備費用、配送費などがあります。漏れのないように注意して計算しましょう。

DMの効果を測る主な指標には以下があります。

指標 概要 計算式
反応率(レスポンス率) DM発送件数に対し何らかのレスポンス(※)があった人の割合。 レスポンス数÷DM発送数×100
CPR 1件のレスポンスを獲得するのにかかったコスト。低いほどよい。 総DM費÷レスポンス数
CPO 1件の受注を獲得するのにかかったコスト。初回の購入のみカウントする。低いほどよい。 総DM費÷受注数

※レスポンスとは、製品やサービスの購入・契約につながるなんらかの行動のこと。資料請求や問い合わせ、見積もり依頼、アンケートの回答、クーポン持参での来店など。

反応率を計算するためには、あらかじめどのような行動をDMのレスポンスとするかを決めておきましょう。

 

2.販促に効果的なDMを作るためには目的の設定が必須

反響率が高いDMを作るためには、まず明確な目的設定を行う必要があります。何も計画せずDMを出しても集客は期待できません。具体的な目的を設定し、その目的を社内で共有しましょう。

目的を設定すると、メンバーが1つの目的に向かって一丸となり、目的から逆算して能率的なDM作りを行うことができます。目的設定と共有は、DMの反響率を高めるために必要です。

 

2-1.DMを誰に送るのかを明確にする

DMの目的を設定する際には、誰にDMを送るのかを明確にしましょう。

DMの主なターゲットは「潜在顧客」「見込顧客」「既存顧客」に3つに分類されます。よりレスポンス率が高いDM作成をするには、ターゲットが3つのうちどれに該当するか考えて、適切な内容のDMを送る必要があります。万が一ターゲットにそぐわない内容のDMを送ると、DMが意味をなさなくなり、無駄になってしまうため注意が必要です。

もしターゲットのニーズに合ったDMを送ることができれば、高い反響率を期待できます。ここではターゲットごとに目的設定のポイントを紹介するため、DM作りの際はぜひ参考にしてください。

◯潜在顧客

潜在顧客とは、まだ商品やサービスを知らない潜在的な顧客を指す言葉です。潜在顧客に向けてDMを送る場合、商品やサービスを知って興味を持ってもらうことを目的にしたDMを作るといいでしょう。

◯見込顧客

見込顧客とは、将来顧客になってくれる可能性が高い人のことです。見込顧客にDMを送る際には、商品やサービスについての問い合わせを増やしたり、商品やサービスの購入を促したりすることを目的にしたDMを作りましょう。

◯既存顧客

既存顧客とは、商品やサービスを一度購入したことがある顧客をいいます。既存顧客にはリピート購入を促すことを目的に作ったDMを送りましょう。

 

2-2.DMで達成したい目標を設定する

ターゲット設定ができたら、次はDMを送付することで会社としてどのような効果を狙うのかを考えましょう。具体的な目標を設定することで、達成のために何をすべきかが明確になります。

また、より効果的なDM施策を実施するには、KPIの設定や費用を考慮することも大切です。KPIとは、目標達成に向かってプロセスが順調に進んでいるかを測る指標です。KPIの数値は、目標から逆算して設定できます。

たとえば、DM戦略の目標が「成約数20件」だとしましょう。成約率を20%とする場合、100件のレスポンスが必要です。レスポンス率を5%とするなら、DM送付は2000通送る必要があります。成約数20件の目標を達成するには、「レスポンス100件、DM送付2000通」の各要素をクリアしなければなりません。

レスポンス率などの数値は、これまでに行ったDM戦略の実績か、業界ごとの平均値を基準に決めることが一般的です。

 

3.反響率アップに効果的なDMを作る5つのポイント

DMの反響率をアップさせるには、目的設定に加え、以下のポイントをおさえることが必要です。

  • 目的に応じたリストを入手する
  • オファーで行動のきっかけを作る
  • 販促カレンダーを使ってベストなタイミングで送る
  • ターゲットに響く文章を書く
  • 活用するシーンを考える

ここではそれぞれのポイントについて解説します。

 

3-1.目的に応じたリストを入手する

DMの反響率を高めるには、目的に応じたリストを手に入れる必要があります。リストとは顧客情報を集めた資料をいいます。リストに記載がある情報を基にDMを作成し、ターゲットに送ることが一般的です。

たとえば既存顧客に向けてDMを送りたい場合は、一度サービスを利用したことのある顧客情報を集めリスト化し、そのリストに基づいてDMを送ります。

リストに基づいてDMを送ると、ターゲットにとって適切な内容のDMが届くことになり、反響率も高くなるでしょう。

 

3-2.オファーで行動のきっかけを作る

DMには、ターゲットが行動するきっかけとなる「オファー」が必要です。

オファーとは取引条件のことをいいます。魅力的なオファーを作り、ターゲットの購買意欲を掻き立てましょう。

ターゲットの心を惹きつけるキャンペーン文句としては以下のようなものがあります。

  • DM持参の上ご来店いただいた方には◯◯をプレゼント
  • DM持参でさらに◯◯%OFF

ターゲットが思わず「問い合わせしてみよう」「購入してみよう」と思うようなオファーを考えてみてください。

 

3-3.販促カレンダーを使ってベストなタイミングで送る

DMはターゲットにとってベストなタイミングで送ることが重要となります。

ベストなタイミングを計るには、販促カレンダーを活用すると効果的です。販促カレンダーを作成し、年中行事を狙ってDMを送ってみましょう。

主な年中行事は以下の通りです。

1月 正月・成人式
2月 節分・バレンタインデー
3月 ひな祭り・ホワイトデー・卒業式
4月 入園・入学・入社
5月 子どもの日・運動会
6月 ジューンブライド
7月 七夕・海開き
8月 お盆
9月 敬老の日
10月 ハロウィン
11月 七五三
12月 クリスマス・大晦日

これらの行事の直前にDMを送ってみるのも効果的です。

また、ターゲットの誕生月も見逃せません。誕生月のキャンペーンDMを送れば、高い反響率が見込めます。

消耗品を扱うのであれば、前回購入してもらった商品を使い切る頃合いも綿密に計算しておくと、ターゲットにとってベストなタイミングでDMを送ることができます。

 

3-4.ターゲットに響く文章を書く

DMを送付するときは、ターゲットに響く文章を書かなければ、高い効果を期待することはできません。

ターゲットの心を掴むコツとして、「あなた」という言葉を積極的に使うという方法があります。

「あなたのためにご用意しました」といった文句を一言付け加えるだけで、ターゲットにとって「自分のためにDMが送られてきた」という特別感が高まり、多くの場合で反応率が高まるでしょう。

 

3-5.活用するシーンを考える

DMが多くの企業で採用されているのは、以下のようなさまざまなメリットがあるためです。

・顧客に直接届く

DMは顧客に直接商品やサービスをアピールできます。形状を変えたり特殊印刷したりと視覚に訴えることも可能です。顧客が商品やサービスを認知しやすく、問い合わせや購入などの行動にもつながりやすくなります。

・顧客に合わせて伝える情報を選べる

「新規顧客か既存顧客か」「女性か男性か」など送付対象の属性に合わせて伝える情報を選べ、効果的にアピールできます。

・多くの情報を伝えられブランディングにつなげられる

商品やサービスの情報だけでなく企業理念やブランドコンセプトなども記載でき、ブランディングに役立ちます。

・マーケティングに生かせる

DMは効果測定がしやすい施策です。DMを送った後の対象顧客の反応率や購入率、リピーター率を測定し、収集したデータを分析することでマーケティングに生かせます。

DM広告のメリットをきちんと把握した上で、メリットを最大限に生かせるようなタイミング・内容でDMを発送することが大切です。

 

4.販促に効果的なDMの文章を書くポイント

DMでより多くの顧客を獲得したい場合、DMを構成する5つの要素と、それらを書く際のポイントを知っておく必要があります。

キャッチコピー

キャッチコピーはDM開封率を高める上で最も重要な構成要素です。次に挙げる3つの内容が一瞬で伝わるようなキャッチコピーを考えましょう。

  • 商品・サービス
  • 商品・サービスの特徴
  • 商品・サービスの必要性

キャッチコピーにはある程度「型」が決まっているため、他のDMに使われているキャッチコピーを集めて研究すると、開封率の高いDMを作成しやすくなるでしょう。

挨拶文

受け取ったターゲットが続きを読みたくなるような挨拶文を冒頭に書きましょう。なぜDMを送付したのか、挨拶文の中で目的を端的に伝えます。

丁寧すぎる挨拶文を作ると、ターゲットは「自分には関係ないDMだ」と思ってしまう恐れがあるため、なるべくすぐ本題に入りましょう。

商品・サービスの説明

商品・サービスの説明はできるだけ分かりやすく、好奇心を掻き立てるように書きましょう。商品・サービスの画像を載せ、商品・サービスから得られる利益を箇条書きで示すと分かりやすいDMが作成できます。

ここでのポイントは商品・サービスの特徴だけでなく、その特徴から得られる利益を記載することです。

たとえば1本の鉛筆があったとします。その鉛筆にHBの芯が使われていたとすると、「HBの芯が使われている」という特徴だけでなく、「HBの芯が使われているため、折れにくく、快適に文字を書くことができる」といった利益にまで言及しましょう。

この利益のことを「ベネフィット」と呼び、ターゲットの購買意欲を掻き立てる際に重要な役割を担います。

オファー

「オファー」とは商品・サービスの取引条件のことです。商品・サービスを購入する際の特典などを記載します。DM自体が割引券やクーポン券となる場合もよく見られます。

特典の受け取りに期限を設定すると、ターゲットの購買意欲を掻き立てられるでしょう。

レスポンスデバイス

ターゲットが商品・サービスに興味を持ったとき、すぐに購入・問い合わせができるよう、電話番号や商品購入ページのURL、メールアドレスなどを分かりやすく記載してください。

高額商品を取り扱う場合、現金だけでなくクレジットカードでの支払いもできるようにすると、ターゲットにとって購入の敷居が低くなります。

ここでのポイントはターゲットを迷わせないことです。具体的かつ分かりやすい購入・問い合わせ方法を示し、ターゲットをスムーズに誘導しましょう。

 

5.DMを作成するときの注意点

DMの作成にあたっては、いくつか注意すべきポイントがあります。たとえば、DMにはさまざまな種類やサイズがあり、効果を上げるには特徴を考慮して選ぶことが大切です。また、DMの内容や送り方によっては法に触れてしまう恐れがあり、どのようなDMを送ると問題になるかも知っておく必要があります。

ここでは、特に注意すべき3点について説明します。

 

5-1.目的に適した形とサイズのDMを送る

紙媒体のDMにはハガキDMや封筒DMがあり、さまざまな種類やサイズに分かれます。それぞれの特徴を把握し、目的に合ったものを選びましょう。主な種類は下記の通りです。

ハガキ
種類 特徴
通常サイズのハガキ
  • 視認性が高い
  • 情報量が少なく伝えたい内容がシンプルなケースに向いている
圧着ハガキ
  • 通常サイズに比べ記載できる情報量が大幅に増える
  • 圧着部分をめくるときの期待感や特別感を演出できる
  • 込み入った内容を伝えるのに向いている
大判サイズ
  • 多くの情報を記載できる
  • サイズが大きく、目立ちやすい
A4・B5サイズハガキ
  • 記載できる情報量が多く目立ちやすい
  • インパクトを重視したいときに向いている
型抜きハガキ
  • 星形や丸型などユニークな形状のハガキ
  • 個性的で印象に残りやすく興味を惹きやすい
封筒
種類 特徴
A4サイズなど
  • カタログやチラシなどが封入でき多くの情報を伝えられる。クーポン券などを同封することも可能
  • 封書のほうが格式高いとされるため、礼儀礼節を重視する場合にもよい
  • ハサミがなくても開けられ、内容に合った封筒を選ぶことが開封率を上げるコツ

 

5-2.著作権法と肖像権に気をつける

DMを作成する際は、著作権法と肖像権に注意が必要です。

著作権法
概要
  • 著作物を使用することで生まれる利益を守る法律
  • 著作権者に無断で著作物を文書などに掲載すると違法になる
罰則
  • 10年以下の懲役または1000万円以下の罰金
  • 著作権者から民事で損害賠償請求される恐れもある

参考:e-GOV法令検索「著作権法」

肖像権
概要
  • 人が自分の容姿について有している人権
  • 他人を勝手に撮影したり写真や映像を公開したりすることは「肖像権の侵害」にあたる
  • 肖像権についての法律はないが、幸福追求権や人格権の一環と考えらており、みだりに侵害すれば相手から民事で訴えられる可能性がある

参考:e-GOV法令検索「著作権法」

DMを作成する際は、写真や画像、イラストを使ったデザインにすることも多いでしょう。自社で撮影・作成した写真や画像、イラスト以外は、無断で使用しないことが大切です。

また、自社で撮影するときは、肖像権に注意しましょう。被写体になった方には、撮影した写真を使う許可を得ておく必要があります。

 

5-3.個人情報は丁寧に扱う

DM送付にあたっては、個人情報保護法に則り、顧客の個人情報を慎重に取り扱うことが求められます。DMに関係する個人情報には以下があります。

  • 名前、住所、電話番号
  • 性別
  • 生年月日
  • 会員番号
  • メールアドレス
  • 購買履歴

個人情報保護法では個人情報を「特定の個人を識別できるもの」「個人識別符号が含まれるもの」と定義しており、会員番号やメールアドレスなども含まれます。

個人情報を扱う上では、以下の点に注意しましょう。

・利用目的を明確にし、本人に通知する

DM送付のために顧客情報を収集する場合、事前に相手に対しDMに使うといった具体的な利用目的を伝える必要があります。

・適切に管理する

個人情報の漏洩や紛失がないよう、顧客データは適切に管理することが求められます。セキュリティ対策を徹底し、必要がなくなった顧客の個人情報は速やかに削除しましょう。

・第三者に提供しない

収集した個人情報は、本人の同意がなければ第三者に提供できません。同意を得て提供する場合は、データを提供した年月日、提供先名称などを記録しておきましょう。

参考:政府広報オンライン「「個人情報保護法」をわかりやすく解説 個人情報の取扱いルールとは?」

 

6.DMの効果を高める発送後の工夫とは?

「DMを発送したら後は反響を待つだけ」という姿勢では、DMの効果を高めることはできません。より多くの反響を集めるには、発送後もさまざまな取り組みをする必要があります。

効果の高い取り組みとしては、次の2つが挙げられます。

・フォローコール

DMがターゲットの手元に届いた頃、電話を掛けてDMの内容を確認してもらえたか訊いてみましょう。内容を確認してもらえていればそのまま営業トークを行い、内容を確認してもらえていないならDMの内容を説明します。たとえ顧客獲得につながらなくても、顧客獲得のヒントを得られる可能性が高いため、実施してみる価値はあるでしょう。

・リストクリーニング

リストクリーニングとは、顧客の手に渡らず不着となったDMを基に、顧客リストを整理し直すことです。リストクリーニングを行うことにより、次回以降のDM不着を確実に減らせ、はがきや封筒のコスト、郵便コストも削減できるでしょう。

 

まとめ

せっかくDMを送るなら、反響率の高い、効果的なDMを作りたいと多くの人が考えるでしょう。DMの効果を高めるには、目的を設定したり、送付するターゲットを明確にしたりすることが大切です。目的やターゲットについての情報は、作業能率を高めるためにも、社内で共有するように心がけましょう。

この記事で紹介した反響率をアップさせるポイントや、効果的な文章を書くためのポイントを参考に、効果的なDMを作成してください。

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