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DMの効果とは?効果測定の方法や効果をアップさせる戦略を徹底解説
DM(ダイレクトメール)は、企業やブランドが顧客に直接メッセージを届ける方法として広く利用されています。特に郵送DMは電子メールと比べて2倍以上目を通される割合が高く、より確実に顧客に向けて情報を伝えられる点が強みです。
この記事では、DMの効果を測定するためのポイントや、効果を最大化するための戦略について詳しく解説します。DMを活用して顧客の来店や商品購入、成約を促進したい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
1.DMにはどのような効果がある?
DMメディア実態調査2022の結果によると、郵送されるDM(ダイレクトメール)の開封率は全体で65%です。
一方、メルマガなどの電子メールは開封率が30%程度にとどまります。メルマガと比較すると、DMの閲読率が非常に高い数値であることが分かります。
出典:Benchmark「平均メール開封率・クリック率レポート(2024年度版)」
また、DMは送られた人に特別感を感じてもらいやすい手段とも言えるでしょう。自分宛てに届いたDMの閲読率は75%、宛名無しのDMでも閲読率は58%と半数以上が目を通しています。
DMを受け取った後、届いた情報についてネットで調べたり実際に店に出かけたりするなど、何らかの行動に移したことを表す反応率は19.3%です。また、DMによって購入に至った割合は3.0%、会員登録した割合は2.1%とコンバージョン率も高く、DMがマーケティングの手法として有用な施策の1つであることを示しています。
2.DMの効果を測定するときに見るべきポイント
DMの効果を測定する際に利用されるKPIは、以下の4種類です。
レスポンス率(反応率) | 行動喚起率とも言います。DMを配送した人のうち、クーポンを利用したり資料請求をしたりと、何らかのアクションを起こした人の割合を示す指標です。 |
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CVR(コンバージョン率) | 「Conversion Rate」の略で、最終的に獲得するべき成果にDMがどれだけ貢献したかを測定する指標です。商品の売上や契約数など成果を特定して数値化するため、レスポンス率よりも重視されます。 |
CPR(反応あたり費用) | 「Cost Per Response」の略で、DMによって獲得したレスポンス1件あたりにどれだけのコストがかかったかを算出する指標です。数値が低いほど効果が高いと判断できます。 |
CPO(顧客獲得費用) | 「Cost Per Order」の略で、DMによって獲得した注文1件あたりにどれだけのコストがかかったかを算出する指標です。新規顧客を獲得した際に用いられ、リピート購入はカウントしません。数値が低いほど費用対効果に優れていると判断できます。 |
各KPIをどの程度達成できたかを確認し、次回の施策につなげましょう。
2-1.DMの効果を測定する方法
DMの効果を測定する方法として用いられやすい方法は、以下の3つです。
QRコードの利用 | DMそれぞれに固有の申し込み番号を設定したQRコードを添付する方法です。QRコードで商品購入やクーポン取得のためのWebサイトに誘導し、Googleアナリティクスなどの解析ツールでアクセスを解析・集計します。 |
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アウトバウンドコール | DMの送付先に後日確認の電話をして、開封や購入の有無を直接確認する方法です。DMを見ていない顧客にも電話を通してセールスができるというメリットがあります。 |
クーポン付きDM | DMに特典として添付したクーポンを顧客が店で利用した際にデータを収集する方法です。Webを通じて購入やサービスの利用手続きを行う場合は、クーポンコードを用いる方法もあります。DMがどれだけの反応を獲得できたか、具体的な数字で把握できる点がメリットです。 |
3.DMの効果をアップさせる戦略とは
DM施策を実施するにあたって効果を最大化するためには、送付先と送付時期の見極めや、開封率の向上につながる工夫が必要です。ここでは効果的な5つの戦略について解説します。
3-1.目的とターゲットを絞り込む
DMで何を伝えたいか、目的を明確にすることも重要です。セールの告知なのか、新商品の販促なのか、知らせたい情報はDMごとに違います。しばらく利用のなかった休眠顧客を再喚起するという目的でDMを送付することもあるでしょう。
どのような目的でDMを送るかによって、送付すべきターゲットも変わります。たとえば、新規顧客を獲得したい場合には「弊社の商品を初めてご利用いただくお客様へ」というメッセージを添えることで、DMが開封されやすくなります。年齢や性別、居住地や購入履歴など具体的な情報があれば、さらにターゲットを絞りDMの開封率を上げるのに効果的です。
3-2.ユーザーの心をつかむクリエイティブをする
クリエイティブとは、開封したくなるような魅力的なメッセージや、目を惹くデザインを作りこむことです。まずは会社や商品のイメージに合ったデザインを心がけましょう。
デザインはDMのビジュアルだけにとどまりません。一目で注意を引くように字の大きさや配置を工夫したり、簡潔に情報が伝わる洗練された説明文を考えたりする必要があります。
評価の高いクリエイティブのテンプレートもありますが、単純に流用するとターゲットのニーズからずれ、訴求効果の弱いDMができる可能性が高まります。テンプレートは参考程度にとどめ、自社で絞ったターゲットに合わせたクリエイティブを作りましょう。
3-3.パーソナライゼーションする
パーソナライゼーションとは、顧客一人ひとりのニーズに合った情報が何かを見極めることです。
例として、顧客の誕生月に特別なクーポンを送付するDMを送る、特定の商品を購入した顧客向けに合わせて買いたい商品を紹介するDMを送る、といった手法があります。
パーソナライゼーションされたDMが顧客にもたらすのは特別感です。自分に宛てられたメッセージだという認識が持てるため、高い開封率にも期待できます。実際に、2022年の調査では46.5%の人が、一般的なDMと比べパーソナライゼーションされたDMを開封したくなると答えています。
出典:日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2022 調査報告書要約版」
ただし、より顧客に刺さりやすいパーソナライゼーションをするためには、顧客の属性をなるべく多く収集し、分析しなければなりません。自社のWebサイトにアクセスしている顧客の動きや、普段から来店する顧客の情報を、CRM(顧客関係管理ツール)などに集約し、分析に役立てましょう。
3-4.DMの効果が高まるタイミングで配送する
個人向けDMは時間にゆとりのある休日に読まれやすい傾向にあります。そのため、DMが土日に届くよう、火曜日か水曜日に発送するといいでしょう。
対して、企業や法人向けDMの場合は、週の始まりである月曜日が最も読まれやすい傾向にあります。休日中にポストインされることを想定し、水曜日、木曜日の発送がおすすめです。
また、1月、4月、9月は新生活が始まる時期です。新たな取り組みを始めたいと考える人も多いため、DMの開封率も高くなります。ボーナスが支給される時期にあたる5月中旬から7月、11月から12月にかけての時期も、購入意欲や新商品への関心が高まる傾向にあるためDM施策が有効です。
一方で、大型連休中のDM送付は避けたほうがいいでしょう。外出している人も多く、受け取りが遅くなる可能性があります。不在中に届いた多くのDMに紛れて、読まずに捨てられてしまうかもしれません。
行事に合わせてDMを送付するのも、印象に残りやすくなるポイントです。ベストなタイミングを計るには、販促カレンダーを活用すると効果的です。販促カレンダーを作成し、年中行事を狙ってDMを送ってみましょう。
主な年中行事は以下の通りです。
1月 | 正月・成人式 |
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2月 | 節分・バレンタインデー |
3月 | ひな祭り・ホワイトデー・卒業式 |
4月 | 入園・入学・入社 |
5月 | 子どもの日・運動会 |
6月 | ジューンブライド |
7月 | 七夕・海開き |
8月 | お盆 |
9月 | 敬老の日 |
10月 | ハロウィン |
11月 | 七五三 |
12月 | クリスマス・大晦日 |
これらの行事の直前にDMを送ってみるのも効果的です。
また、ターゲットの誕生月も見逃せません。誕生月のキャンペーンDMを送れば、高い反響率が見込めます。
消耗品を扱うのであれば、前回購入してもらった商品を使い切る頃合いも綿密に計算しておくと、ターゲットにとってベストなタイミングでDMを送ることができます。
3-5.送付後も忘れずフォローする
DM送付後の電話によるフォローは、DM効果の測定方法としても効果的ですが、購入や成約につなげる手段としても効果を発揮します。DM送付後にアクションが無かった顧客の中には、興味を持ちつつも疑問や懸念点があって購入や契約に踏み切れていない人もいます。不安を取り去り、新たな顧客獲得につなげられる方法が電話でのフォローです。DMでは伝えにくい詳細な情報や、顧客のニーズに合った説明も、電話のほうが伝わりやすくなります。
顧客の元に連絡する際には、短時間で話を伝えられるようトークスクリプトを用意するといいでしょう。電話先にDMをまだ読んでいない、あるいは捨ててしまったと答えられた場合でも、スムーズに再送付やサンプルの提供を申し出ることが可能になります。
4.販促に効果的なDMの文章を書くポイント
DMでより多くの顧客を獲得したい場合、DMを構成する5つの要素と、それらを書く際のポイントを知っておく必要があります。
キャッチコピー |
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キャッチコピーはDM開封率を高める上で最も重要な構成要素です。次に挙げる3つの内容が一瞬で伝わるようなキャッチコピーを考えましょう。
キャッチコピーにはある程度「型」が決まっているため、他のDMに使われているキャッチコピーを集めて研究すると、開封率の高いDMを作成しやすくなるでしょう。 |
挨拶文 |
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受け取ったターゲットが続きを読みたくなるような挨拶文を冒頭に書きましょう。なぜDMを送付したのか、挨拶文の中で目的を端的に伝えます。 丁寧すぎる挨拶文を作ると、ターゲットは「自分には関係ないDMだ」と思ってしまう恐れがあるため、なるべくすぐ本題に入りましょう。 |
商品・サービスの説明 |
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商品・サービスの説明はできるだけ分かりやすく、好奇心を掻き立てるように書きましょう。商品・サービスの画像を載せ、商品・サービスから得られる利益を箇条書きで示すと分かりやすいDMが作成できます。 ここでのポイントは商品・サービスの特徴だけでなく、その特徴から得られる利益を記載することです。 たとえば1本の鉛筆があったとします。その鉛筆にHBの芯が使われていたとすると、「HBの芯が使われている」という特徴だけでなく、「HBの芯が使われているため、折れにくく、快適に文字を書くことができる」といった利益にまで言及しましょう。 この利益のことを「ベネフィット」と呼び、ターゲットの購買意欲を掻き立てる際に重要な役割を担います。 |
オファー |
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「オファー」とは商品・サービスの取引条件のことです。商品・サービスを購入する際の特典などを記載します。DM自体が割引券やクーポン券となる場合もよく見られます。 特典の受け取りに期限を設定すると、ターゲットの購買意欲を掻き立てられるでしょう。 |
レスポンスデバイス |
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ターゲットが商品・サービスに興味を持ったとき、すぐに購入・問い合わせができるよう、電話番号や商品購入ページのURL、メールアドレスなどを分かりやすく記載してください。 高額商品を取り扱う場合、現金だけでなくクレジットカードでの支払いもできるようにすると、ターゲットにとって購入の敷居が低くなります。 ここでのポイントはターゲットを迷わせないことです。具体的かつ分かりやすい購入・問い合わせ方法を示し、ターゲットをスムーズに誘導しましょう。 |
5.DMを作成するときの注意点
DMの作成にあたっては、いくつか注意すべきポイントがあります。たとえば、DMにはさまざまな種類やサイズがあり、効果を上げるには特徴を考慮して選ぶことが大切です。また、DMの内容や送り方によっては法に触れてしまう恐れがあり、どのようなDMを送ると問題になるかも知っておく必要があります。
ここでは、特に注意すべき3点について説明します。
5-1.目的に適した形とサイズのDMを送る
紙媒体のDMにはハガキDMや封筒DMがあり、さまざまな種類やサイズに分かれます。それぞれの特徴を把握し、目的に合ったものを選びましょう。主な種類は下記の通りです。
ハガキ | |
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種類 | 特徴 |
通常サイズのハガキ |
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圧着ハガキ |
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大判サイズ |
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A4・B5サイズハガキ |
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型抜きハガキ |
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封筒 | |
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種類 | 特徴 |
A4サイズなど |
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5-2.著作権法と肖像権に気をつける
DMを作成する際は、著作権法と肖像権に注意が必要です。
著作権法 | |
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概要 |
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罰則 |
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肖像権 | |
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概要 |
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DMを作成する際は、写真や画像、イラストを使ったデザインにすることも多いでしょう。自社で撮影・作成した写真や画像、イラスト以外は、無断で使用しないことが大切です。
また、自社で撮影するときは、肖像権に注意しましょう。被写体になった方には、撮影した写真を使う許可を得ておく必要があります。
5-3.個人情報は丁寧に扱う
DM送付にあたっては、個人情報保護法に則り、顧客の個人情報を慎重に取り扱うことが求められます。DMに関係する個人情報には以下があります。
- 名前、住所、電話番号
- 性別
- 生年月日
- 会員番号
- メールアドレス
- 購買履歴
個人情報保護法では個人情報を「特定の個人を識別できるもの」「個人識別符号が含まれるもの」と定義しており、会員番号やメールアドレスなども含まれます。
個人情報を扱う上では、以下の点に注意しましょう。
・利用目的を明確にし、本人に通知する
DM送付のために顧客情報を収集する場合、事前に相手に対しDMに使うといった具体的な利用目的を伝える必要があります。
・適切に管理する
個人情報の漏洩や紛失がないよう、顧客データは適切に管理することが求められます。セキュリティ対策を徹底し、必要がなくなった顧客の個人情報は速やかに削除しましょう。
・第三者に提供しない
収集した個人情報は、本人の同意がなければ第三者に提供できません。同意を得て提供する場合は、データを提供した年月日、提供先名称などを記録しておきましょう。
まとめ
DMの効果を測定するときは、レスポンス率・CVR・CPR・CPOの4つのKPIを設定し、達成率を見るとよいでしょう。DMにQRコードを組み込む、クーポン付きDMを送る、アウトバウンドコールで顧客の反応をチェックする、といった方法が測定方法としては一般的です。
また、DMの効果をアップさせるために、まずはDMの目的とターゲットを絞り込んだ上で、ターゲット層に刺さるクリエイティブを作りこみましょう。その際には、一人ひとりの顧客の情報に応じてDMをパーソナライゼーションすれば、より効果が上がります。送付後はトークスクリプトを用意して、顧客にテレアポを取ってフォローすれば顧客の取りこぼしを防ぎやすくなります。